キャンプギア

【製造の現場目線からキャンプギアを解説】人気のコンテナボックスの注意点

大型コンテナボックスは、キャンプ用品に限らず様々な物品を収納するのに便利です。

この記事では、一般消費者の目線ではなく、あえて「製造業の目線」から、この世の中に出回っているキャンプギアの特徴や差別化しているポイント。メリットやデメリットについて解説させて頂きます。

どうしてこのような形をしているのか。どうしてこの素材を使っているのか。製造難易度がどれくらいあるものなのか。そういった物づくりを行う視点で観察した時に気付ける特徴や違いから、自分のお好みの製品探しに役立つことがたくさんあるかと思います。

皆様のキャンプギア探しにお役に立つことができれば幸いです。

人気の大型コンテナボックス製品について

コンテナボックスの中でも、Trust社のTHORシリーズ  (トラスト  ソー  ラージトート)は、耐久性の良さと、無骨と洗練さが合わさったデザインの良さもあり、とても人気があります。フタの部分が平面形なので、テーブルの様に使うことができ、機能面でも便利な製品です。

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プラスチック製の大型のコンテナボックスは、ベランダストッカーや車載用品としてホームセンターなどで古くからありました。その中でも、Trust社のTHORシリーズ が機能面において従来製品と違う点は大きく2つあります。

  • 上部天板が平ら(平面)であること
  • フタの裏に突起物が無いので収納容量が多い

従来製品は、蓋の部分がカーブしており、上部に物を載せるのに不都合であったり、積み重ね(スタッキング)ができなかったりする製品もありました。Trust社のTHORシリーズにおいては、蓋の部分を広く平面にしています。そのため、板を載せてテーブルとして使うことが可能となり、また積み重ねが可能となるなど、様々な応用用途が生まれています。

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更に、従来製品では、蓋の裏面に突起物や補強材がある事で収納容量が少なくなる弊害がありました。Trust社のTHORシリーズでは、突起物や補強材が少ない設計になっており、収納容量が従来製品に比べると多くなるように設計されております。

この2点が解消された製品は、ありそうで無かった物と言えるでしょう。

製品の形には理由がある-従来製品から見る大型コンテナボックスに求められる事とは-

では今まで、なぜこのような製品が無かったのか。逆に従来の製品がなぜその形状に辿り着いたのか。その理由を知ることで、ご自身の求める理想のキャンプギア選びの参考にしていただければ幸いです。

従来の製品にも製造、設計の際に考慮された経緯があり、製品から考察することができます。

従来製品は、蓋の部分がとても厚くなっています。それに比べてTHORシリーズは表面・裏面ともにとても薄い作りとなっております。これは、従来製品は蓋に過重がかかる事を想定した作りになっているため、カーブや裏の補強材があることで蓋全体が厚くなっているのと考えられるのです。

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屋外使用を前提とした大型コンテナで蓋に過大な力がかかる物といえば、最も想定されるのは体重です。従来のコンテナボックスは、屋外などの現場作業時に座ることや、踏み台として使われる事態を想定されて設計されています。そのため、強度を保つための工夫がされているのです。

ここで言う想定しているとは、意図せぬ加重をかけても壊れないというレベルの事です。座ることや踏み台にすることを推奨しているわけではありませんので、ご注意ください。

  • 従来製品では想定される局面での、安全性や可能性を考慮した設計と考えられます。

これと比べて、THORシリーズはフタの部分を平面にして、裏面の突起物を排しておりますので、従来製品と比べてフタの強度はとても弱くなります。

  • THORシリーズでは、収納容量の確保、利便性を重点視した設計と考えられます。

もちろん、このままでは物を載せたら壊れてしまいます。そこで強度を補完するために、別売りのテーブル板をフチの部分にかけて、上部に物を乗せる形状になっているのです。

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積み重ねの場合も、フチに近い部分に強度がかかる設計になっています。

人気のコンテナボックスの注意点

これを踏まえて、上部が平面タイプのコンテナボックスを使用する際は、必ず以下の点に注意をしてください。

  • 座らないこと
  • テーブル板無しで、極端に重いものを乗せないこと
  • 踏み台として使わないこと

特に3つ目は、厳守です。キャンプ場などで、テント設営の際に踏み台として使用した場合、天板を踏み抜くと大けがにつながります。工場や現場でも、ほんの少し高い箇所での作業であっても、必ず脚立を使用します。流用することは控えましょう。

さいごに


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強度と軽さ、使いやすさは、どの時代、どの製品でも製造者を悩ませる課題です。昨今では同じコンセプトの日本メーカー製品も多数あります。形状については、各社工夫がみられますし、改善の余地もあります。さらなる革新的な新製品が生まれやすいギアの一つだと、注目しております。


三輪賢司

永幡工業株式会社:代表取締役 / campBOX :キャンプギアアドバイザー

1975年東京生まれ。千葉大学文学部にて心理学を専攻。大学卒業後は大手IT企業に就職。様々な分野で経験を積み、2000年より家業である東京大田区の町工場:永幡工業株式会社の代表取締役に就任。設計、製造に携わる。ディスプレイ製品・舞台大小道具・建築金物・什器など様々な製品を開発。金属のみならず他素材を扱う経験も多数。屋外現場作業もアウトドアであるとの理念の下、自らの知識を活かし、campBOXにてキャンプギアアドバイザーを兼務。製造の視点からのキャンプ製品評価・アドバイス・コンサルティングに従事する。